6月1日の一般質問について(質問全文)

6月1日、令和3年第2回定例会で一般質問を行いました。

  1. 教育について
    (1)一人一台タブレットを活用した教育
    (2)ICTを活用した教育現場の環境改善
    (3)セキュリティの考え方と今後のICT教育
    (4)不登校児専門校
    (5)中学校等別評定割合
    (6)校則(体育の授業時の肌着、置き勉)
    (7)事故防止(サッカーのヘディング、一斉点検、組体操)
    (8)教室の防犯カメラ
  2. 保育の質について

動画

以下に質問の全文を掲載します。

 自民・無所属・維新クラブの松本みつひろです。通告に従い、一般質問をいたします。質問内容は、教育について、保育の質について。教育では具体的に、一人一台タブレットを活用した教育について、ICTを活用した教育現場の環境改善としての欠席届等のオンライン化ならびに給食費等の回収について、セキュリティの考え方と今後のICT教育に対する取組について、不登校児専門校について、中学校等別評定割合について、校則、特に体育の際の肌着等着用と置き勉について、事故防止について、教室の防犯カメラについて質問します。

1.教育について

  • 一人一台タブレットを活用した教育について

 まず、児童・生徒一人一台タブレットの活用状況について伺ってまいります。今年2月に全校への配備が完了しましたが、それ以降の活用状況として、1-1-1.令和3年度に一度以上授業で活用した学級の割合を確認します。あわせて、1-1-2.教科ごとのタブレット授業の実施状況を伺います。また、1-1-3.オンラインホームルームを実施した学級と、タブレットで完結する宿題を出したことのある学級、そのうちMicrosoft Teamsを介して宿題を出したことのある学級の割合をそれぞれ確認します。オンラインホームルームについては、不登校の児童・生徒とのコミュニケーションにも効果が期待されますが、1-1-4.オンラインホームルームに不登校の児童・生徒が参加した事例がどの程度あるか伺います。小学校で学習する1,182文字を一画(いっかく)ずつ表示し、書き順などの学習に適したPowerPointスライドが無償で提供されていますが、1-1-5.このようなタブレットならではの学習効果のある民間提供の教材を活用している事例があるか確認します

 タブレットを活用した教育のメリットの一つとして、学習に困難のある児童・生徒が活用できる様々な機能があります。WordやOneNoteの文章を音声で読み上げ、また読み上げている箇所をハイライト表示する機能や、読みたい行に集中するために前後の行を隠すフォーカス機能は、読みに障害のあるディスレクシアの児童・生徒の活用を主に意図して搭載されています。聴覚障害のある児童・生徒への情報保障としての、話した言葉をテキスト化するディクテーション機能や、書字に障害のあるディスグラフィアの児童・生徒向けに、黒板を写真撮影し、音声データも一つのノートとしてまとめることが可能なOneNoteの各機能が活用できれば、紙ベースで行われていた学習よりも効果的な学習が期待できます。1-1-6.そのような区立学校の取り組み事例をご紹介ください。また、1-1-7.タブレットを活用し、協働編集を通じてアクティブ・ラーニングを実現した事例、動画教材を活用した反転学習を行っている事例、また自動採点機能を活用した小テストの実施等の事例が現時点で出ているか、確認します

 東京都立富士高等学校・附属中学校と、西高校、日比谷高校の3校では、富士の野村公郎(きみお)統括校長が推進する「メガ都立構想」の実現に向けた取組が始まっています。1-1-8.「メガ都立構想」の概要をご説明ください。昨年の第3回定例会における私の一般質問で、「例えば小学校三年生の算数であれば、それを一番上手に教えられる先生の授業を録画、放映し、教室にいる教師が演習や意見交換に特化するようなやり方、いわゆる反転授業への発展が今後期待され」る、と申し上げたところ、教育政策担当部長からは「しかし、本来学校で行う授業は、子供たちの信頼関係を基盤とし、教科書や子供の実態を加味した教材を使用して、考えたり話し合わせたりしながら求められる力の育成を目指すものです。したがって、学習動画は授業に成り代わるものではない」というご答弁がありました。メガ都立構想では録画ではなく遠隔地からのライブ中継を活用する点、先の私の提案と異なりますが、1-1-9.今後メガ都立構想に込められたコンセプトを区立小中学校での教育に活かすことについて、現時点での区教委の見解を求め、次の項に移ります。

 

(2)ICTを活用した教育現場の環境改善について

 一人一台タブレットの活用は、児童・生徒だけでなく、先生方にも大きな恩恵をもたらすものです。かねてより問題となっている教員の働き方の観点では、保護者との連絡手段のデジタル化、校務のデジタル化、リモートワークのさらなる活用や遠隔会議の実施などによって、事務作業に拘束される時間を縮減し、その中から子ども達と向き合う時間を増やしていくことが期待されます。

私の元にも既に195件の要望が保護者等から寄せられている、遅刻・欠席連絡のオンライン化について、様々なソリューションが提案されているところです。杉並区でも幅広く活用されているすぐメールの上位システムである「すぐーる」では、遅刻・欠席届のような保護者から学校への連絡だけでなく、プリント配布やメッセージ配信など、学校から保護者への連絡、また地域支援団体から保護者への連絡も可能となっています。費用をかけないやり方として、保護者がMicrosoft Formsに入力した情報が、Teamsへの投稿で教職員に通知、別途Excelで蓄積されるといったように自動的に処理されるソリューションも示されています。マイクロソフト社が大阪府堺市で検証した結果では、このソリューションの採用による1校あたりの年間の削減時間は40時間と算出されています。1-2-1.これらのソリューションを採用し、ICTを活用して教員・保護者の負担を軽減することについて、区教委の見解を求めます。昨年の第1回定例会における私の一般質問に対する答弁では、ICT支援員の体制について、小中一貫教育連携校の7グループに週3回程度、それ以外は週1回程度、33名で訪問サポートをしているということでした。1-2-2.令和3年度ではどのような体制強化が図られているか、確認します。教育委員会内の体制について、昨年の第2回定例会では、ICTの知見のあるメンバーが今後さらに緊密な連携を図って子どもの学びを豊かにする環境を目指していくという答弁がありましたが、1-2-3.その目標に対し、具体的にどのような体制変更を行ったのか伺います

一人一台タブレットとは直接関係しませんが、給食費、教材費、PTA会費などの学校徴収金に関する問題点について、議会でも長年にわたって指摘がなされてまいりました。口座振替との組み合わせで徴収金管理業務における教員の負荷軽減を図ることができるSaaSが出てきており、これを活用することで業務の効率化だけでなく、必然的に公会計への移行についても筋道を立てることが可能となります。1-2-4.学校徴収金におけるSaaSの活用について、区教委の見解を求めます

 指導力向上にTeamsを活用する取り組み事例として、千葉県教育委員会ではTeams上で教科や分掌単位での教員コミュニティを育成し、投稿やファイル共有等の意見交換の場を支援しているということです。従来型の教科だけでなく、ICT活用に係る指導案や教材、STEM教育に役立つカリキュラムなどの共有と相互活用もTeamsが基盤となって行われているということです。1-2-5.教員同士の情報共有を活性化させ、指導力向上を図る取組について、区教委の見解を求めます。また昨年の第1回定例会では、当時の教育企画担当部長であった白石教育長から、「教員がICT機器を効果的に活用した質の高い授業を行うためには、教員のITリテラシーを向上させることが必要」「教員研修の充実を図り、ITリテラシーの向上につなげていく」というご答弁がありました。一方、一人一台タブレット導入以前から多忙であった教員が、タブレットへの対応も追加で行っている状況と認識しています。1-2-6.ITリテラシー向上を目的とした研修を充実させることができているか、それを教員が適宜受講できているかについて、現状を確認します

 

(3)セキュリティの考え方と今後のICT教育に対する取組について

 ICTを活用する学びを実現するにあたり、紙ベースで学習が行われていた時代とは、セキュリティ対策の力点も変わってきます。またITセキュリティ自体にも、パラダイムシフトが起きつつあります。教育委員会だけでなく区としても、これまで「境界防御型セキュリティ」を強化してまいりました。これは「守るべき情報資産は境界内部にあり、アクセスは境界内部からに限定し、脅威は境界の外にとどめておくために、壁を高く設ける」という考え方です。その後、教育の世界に限らず、クラウド環境が当たり前のものとなっている今日、「ゼロトラストセキュリティ」という考え方が広く提唱されるようになりました。1-3-1.「ゼロトラストセキュリティ」についてご説明いただき、その上でこのコンセプトについての区教委の認識と対応方針について答弁を求めます

 ベネッセ教育サイトの記事によると、2021年度の中学入試では、事前には受験生が減ると予測されていましたが、結果として受験者数は昨年度とほぼ同じだったことが紹介され、その要因の一つとして私立中学校のオンライン対応の早さが評価された、と分析しています。首都圏の私立中学校99校が回答したアンケートによると、昨年の4月時点で、オンラインホームルームを96%、双方向型授業を85.9%の学校が実施していたということです。このことからも、教育にICTを活用することに期待をしている保護者と児童・生徒が多く存在していることが推測され、機会の平等を負託されている公教育の現場でも、教育分野のICT活用を促進し、子どもたち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育への進化が加速することが期待されている、このように感じております。1-3-2.区立小学校の卒業生のうち、私立中学校に進学した児童の割合を平成29年度以降で確認し1-3-3.魅力ある学校づくりとの関連で、今後のICT活用について、区教委の意気込みを伺います。その上で、令和4年度を始期とする新教育ビジョンの策定に向け、杉並区教育振興基本計画審議会がこれまでに6回開催されておりますが、1-3-4.新教育ビジョンと教育ビジョン推進計画それぞれに、ICT活用における意気込みをどのように反映しようとしているか確認し、次の質問に移ります。

(4)不登校児専門校について

 今年4月、不登校児専門校である、岐阜市立草潤中学校が開校されました。開校にあたっての学校説明会には40名定員のところ120家族、実に380名が参加したということです。「すべての授業はオンラインも併用のため通学してもしなくてもよい」、「担任教師は生徒側の選択制」、「時間割は教師と生徒が相談しながら一緒に決める」、「職員室は生徒に開放する、生徒は食事をしてもただくつろいでもよい」、「開校時の先生は異動でなく手上げ方式」といった特色が示されており、実に革新的なものと感じています。開校に先立って行われた開校除幕式・内覧会で、京都大学総合博物館准教授、塩瀬隆之氏が行ったスピーチでは、フランスの絵本『バーバパパのがっこう』を紹介することで、「学びの選択肢がたくさんあることの重要性」を強調されていました。1-4-1.このような『バーバパパのがっこう』がもたらす示唆を教委としてどのように解釈しているか、見解を求めます。また、1-4-2.不登校児とのかかわりについて、今後の展望を伺います。岐阜市のホームページには、草潤中学校の方向性として、「全ての子どもたちにとって充実した教育機会の確保を目指す」とあり、先に触れた特色は、不登校児に限らず、全ての児童・生徒の学びの選択肢を拡充することにつながるのではないかと考える立場から、1-4-3.区立小中学校にもこのエッセンスを導入することを提案しますが、このことについて見解を求め、次の項に移ります。

 

(5)中学校等別評定割合について

 東京都教育委員会が平成14年度から実施している「都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年の評定状況の調査」、いわゆる1-5-1.中学校等別評定割合について、この調査の目的と、区立学校における活用状況について確認します。この調査における1-5-2.「目標に準拠した評価」を物差しとした上で、杉並区の教育をどのように分析しているか、見解を伺います1-5-3.令和元年度調査と、令和2年度末調査における変化と、その要因についても見解を求めます。その上で、1-5-4.学校単位で調査結果に現れている傾向と、区が以前から取り組んでいる「学校の特色ある教育活動」における取組に関連性が見出されているかについて、答弁を求め、次の項に移ります。

 

(6)校則、特に体育の際の肌着等着用と置き勉について

 3月9日の川崎市議会予算特別委員会の中で、体育の授業時に肌着等の着用が禁止されている学校の存在が指摘され、教育長が「改めて各学校の状況を調査した上で、今後、見直しも含めて検討」と答弁、また報道でも取り上げられ、話題となりました。1-6-1.杉並区立学校でも体育の授業時に肌着等の着用が禁止されている学校があったのか、確認します1-6-2.肌着等の着用を禁止していた学校では、学校から保護者に予め説明がなされていたかを確認します。健康面や衛生管理面での指導には別の方法もあり、児童の自我や健全な性意識を育てる上で不適切な指導であるという問題意識から、1-6-3.体育の授業における肌着等の着用禁止について速やかに改善を求めますが、このことについて区教委の見解を求めます

 また、文部科学省が平成30年9月6日に発出した「児童生徒の携行品にかかる配慮について」という事務連絡の中で、その日家で使わない教科書等を教室内などに置いて帰る、いわゆる「置き勉」が正式に認められることとなりました。タブレットの持ち帰りが始まったことなどから、児童・生徒の携行品の重さに対する配慮は一層重要になっていると感じますが、プレジデントオンラインの記事によれば、「忘れ物をなくすための指導として」置き勉を認めないという教師も多いということです。1-6-4.忘れ物をなくすために置き勉を認めない、という指導に対する区教委の見解を求めると共に、1-6-5.区立学校における「置き勉」の実施状況を確認します。また、タブレットを学校で利用しない日は、自宅に置いておくなどの柔軟な対応についても要望します。

 肌着等の着用や置き勉に限らず、校則の問題については、「ブラック校則」「学校の謎ルール」などという表現を用いられ、全国津々浦々で話題となってきました。まず、1-6-6.「校則」の法的根拠を確認します1-6-7.憲法上の子どもの教育を受ける権利や、学習権、発達権、幸福追求権、保護者の教育権などと、各校で定められている校則の整合を、どのように取っているかについても確認します。現実的には、学校長の権限で定められる部分社会における自律的権能である校則を、それら法的根拠に立脚して定めることは困難であろうと思いますので、それであれば広く一般に公開し、保護者や地域社会の感性とすり合わせながら運用していくことが望ましいと考えます。1-6-8.校則について、入学説明会等の機会に保護者に全文を配布している学校、またホームページ等で公開している学校があるか確認します。また、学校生活におけるルールですので、1-6-9.発達段階に応じ、児童・生徒も自治の概念に則って校則の制定・改定に関与できることが望ましいと考えますが、このことについて区教委の見解を求めます

 

(7)事故防止(サッカーのヘディング、学校設備の一斉点検、組体操について)

 続いて、サッカーのヘディングについて伺います。アメリカのメア集団訴訟を契機とした、ヘディングの禁止規制が外国で広がりを見せています。2015年11月に、アメリカのサッカー協会が10歳以下の子どものヘディング禁止を発表、イングランドサッカー協会も昨年2月、11歳以下の子どものヘディングを原則禁止するという方針を打ち出しました。同年の欧州サッカー協会の調査では、ヘディング禁止の妥当性は見当たらないとされているものの、公益財団法人日本中学校体育連盟(以下中体連)が行ったアンケートの結果でも、ヘディングの危険性について、着地時の捻挫・転倒・骨折や、ジャンピングヘッド等空中での動作を伴う場面での転倒、また頸椎や脳へのダメージによる危険性を認識している指導者が多くいることが明らかになりました。1-7-1.杉並区内の小中学校における体育と、中学校の部活について、それぞれヘディングの禁止状況を確認します。また、1-7-2.サッカー全体における負傷と、そのうちヘディングにおける負傷が、杉並区の小中学校でどの程度起きているか、令和元年度の状況を確認します。中体連のアンケートでは、小学生に対して授業でヘディングの指導をしたという回答が8%に留まり、多くの児童・生徒が見よう見真似でヘディングを行い、事故の危険にさらされている、という状況です。事故が起きないよう正しい技術を指導するにあたり、中学校の授業で指導するための資料として、体育実技副読本を97%、YouTube等資料を23%が、サッカー部員の技術指導にあたってはサッカー協会の資料が31%、市販サッカー解説本について20%が活用しているということでしたが、1-7-3.これらの資料が区立中学校でどのように活用されているか確認します。スポーツ文化の一つとして、ヘディングを知ること、安全にプレーできるように発達段階にあった適度な練習をすることに異論はありませんが、1-7-4.ヘディングが嫌いであるためにサッカーを嫌いになるようなことがないよう留意いただき、対象に応じて用具やルールを最適化することで、より多くの子どもがサッカーに親しみ続けられるように指導することを求めますが、このことについて区教委の見解を伺います

 4月24日に福岡県北九州市若松区の中学校体育館で、壁に設置されていたバスケットゴールが落下し、1年生女子のバスケ部員の顔に当たり、左目のまぶたに3針縫うけがを負う事故がありました。また、27日には宮城県白石市(しろいしし)で防球ネットの木製支柱が折れて1名が死亡、1名が顔に大けがを負ったということです。このような事故が相次いでいることを受け、文部科学省は倒壊の恐れがある学校設備の有無を確認し、一斉点検を行うよう要請しています。バスケットゴールや防球ネットだけでなく、朝礼台や国旗掲揚に使うポール、移動式のサッカーゴールなどを想定し、教員による目視では安全確認が難しい設備をリスト化して学校現場に示すとしています。1-7-5.一斉点検の取組状況について、現時点での対応状況を伺います

 事故防止の観点からの最後に、組体操について確認します。スポーツ庁が令和元年7月5日に発出した「学校における体育活動中(含む運動部活動)の事故防止等について」という事務連絡では、組体操を特出ししての注意喚起が行われ、東京都では平成28年度からピラミッドやタワーなど危険性の高い技を都立学校で原則休止としています。都教委の対応方針においては、区市町村立学校における対応は、地域の特性や学校の実情等を踏まえ、市区町村教育委員会が適切に判断することとされていますが、1-7-6.杉並区における組体操の実施状況について確認します。この項の最後に、1-7-7.学校における子どもの事故防止に関する区教委の意気込みを伺い、次の質問に移ります

 

(8)教室内への防犯カメラ設置について

教育に関する質問の最後に、教室内への防犯カメラ設置について伺います。1月に区立学校教員が児童買春・児童ポルノ禁止法違反で逮捕される事件がありました。区職員の盗撮行為による現行犯逮捕の事件も含め、区の関係者に性犯罪が続いていることは誠に遺憾であり、速やかな改善を求めるものです。前回の一般質問の際に、性教育の改善に関して後ろ向きなご答弁がありましたが、これらの事件が被害者にどのような悪影響をもたらすか、子ども達だけでなく大人にも学習の機会が必要ではないかと思わざるを得ません。稲城市では、担任の男性教諭に休み時間中の教室で脇腹や下腹部を数分間触られるなどのわいせつ行為によって精神的な苦痛を受けたとして、児童と両親が市に賠償を求める訴訟を昨年11月に起こしています。

先の決算特別委員会では、教室内へのビデオカメラ設置について提案がありました。立証が難しい小児性犯罪の証拠となりえること、教員側の無犯罪の証明にもなるという観点では重要な要素だと思う一方で、児童のプライバシー等も重視すべきものです。それらの比較衡量において、1-8-1.教室内への防犯カメラ設置をどのように考えているか、区教委の現時点での見解を求め、保育の質問に移ります。

2.保育の質について

 杉並区では令和3年4月1日時点で4年連続の待機児童0を達成し、今後はより一層、保育の質を高めることに注力することが期待されます。厚生労働省が2019年度に初めて行った実態調査によって、暴言や虐待などの「子どもの人格、人権尊重の観点から、改善を要すると判断される行為」として、不適切な保育が345件確認されています。2-1.この中に杉並区内の保育所が含まれていないか、確認します。昨年4月から5月にかけての緊急事態宣言下では、保育所等を原則臨時休園としましたが、保育士等の処遇等の観点から、運営費や処遇改善費を減額しないことを求め、区としてもそのように対応したものと認識しています。その後、2-2.保育士等から賃金の減額・不払い等に関する区への申立てや通報等がなかったか確認します

保育の質に関する著書を複数出版している、ジャーナリストの小林美希氏によると、2-3.「委託費の弾力運用によって、園の運営費として支払われている経費が園運営以外の用途に使用されてしまうことが、保育の質が下がる要因」であるということでありますが、区内の保育所等運営の現状を踏まえ、区としてこの指摘に対してどのように考えるか、見解を求めます。「とうきょう子供・子育て施設ポータル」通称2-4.「こぽる」を見ると、保育園ごとの財務状況、モデル賃金を確認できる園とできない園がありますが、どのような園が掲載されているか2-5.掲載されている認可保育園はいくつあるか。また2-6.財務状況等がこぽるに載っていない園の財務状況等を区として把握しているのか確認します

園の運営費として支払われている給付金等も原資は税であることから、財務状況については今後、広く区民に公開することを検討すること、ならびに財務書類については、運営法人独自のものではなく、区から統一のフォーマットを示し、それを利用するよう促すことを要望します。こぽるでは人件費比率についても公表されていますが、2-7.杉並区内の認可保育園において、人件費比率の分布は概ねどのようになっているか確認します2-8.施設によって開きがあるとすればどのような要因が考えられるのか、見解を求めます2-9.人件費比率の低いことは、保育士の処遇の低下につながり、ひいては保育の質の低下につながるのではないかという懸念を覚えますが、このことについて区の見解を求めます。保育の質を高めていく上で、不適切な保育、または不適切な運営を未然に防止するためには、自治体による2-10.立ち入り検査等の助言・指導・監査が重要ではないかと考えますが、区の近年の対応状況を確認し、質問を終わります。