野田聖子議員、和田政宗議員による講演会(関東若手議員の会 性教育・不妊治療プロジェクト)

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本日5月1日、杉並区議会議員として3年目、任期の折り返しに入りました。

(2019年4月23日の当選証書授与式)

昨日は杉並区の75歳以上のワクチン接種予約開始の日で、朝9時から夜も9時過ぎまでネット予約のお手伝いに区内を駆け回っていました。地方議会の末席とはいえ、この国難の時に政治に関わることができていることは、とてもありがたいことだと私は感じています。

前半2年間での、政策として掲げたテーマの進捗状況を簡単に振り返ると、以下の状況かと思います。後半戦の中で、より詳細に分析してご報告します。

1.不妊治療の無償化:◎
2.身を切る改革:×~▲(自分のことしか実現できていない)
3.荻窪の街づくり:▲~△(特別区道2196号の無電柱化計画決定)
4.保育園 地域で子育て:△
5.行政の合理化:○

※「不妊治療の無償化」と今の国が進めている施策には違いが3点あります。①無償ではないこと(保険適用の3割負担相当の負担が生じる)②回数の制限があること③年齢の制限があること。ただこれについて、当事者や有識者と議論を重ねてきて、②③は合理性や可能性の観点から完全無償化よりも政策効果が高いこと、①についても必ずしも無償までを求めるものではない、といったご意見が大勢を占めることから、◎としています。

掲げていた政策の一丁目一番地である「不妊治療の無償化」、これが最もハードルが高く、区民の反応も薄く、区議会で最初の一般質問の時にけんもほろろの答弁でした。そこから2年足らずで、保険適用に関する議論が具体的に進み、経済的負担の軽減よりもさらに先にある課題を解決する施策までを国がパッケージング化して猛烈に進めています。

不妊治療の保険適用を軸とした環境改善は、国が主導して行っているものであり、区議会議員である私が何かをしたというわけではありません。それでも、このテーマの「山が動いた」瞬間に立ち会うことができ超党派の地方議員で不妊治療と性教育にフォーカスして学ぶプロジェクトチームを主導してきた中で、政治が世の中を変えるドラマの舞台の上に自分もいたような感覚を持つに至りました。この「成功体験」を、この先の議会活動の弾みにしていきたいと思います。

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区議会議員選挙の前に、「不妊治療の課題に取り組んでいる議員っているんだろうか」と思い、「不妊治療 国会」と検索したところ、当時たしか一番上に表示されていた検索結果が、野田聖子議員が2006年にしている質問と答弁でした。15年前からひとり取り組んでこられ、国会勉強会に超党派の多くの国会議員を集めて「山を動かした」野田聖子議員。所属政党は違えど、不妊治療の環境改善に長年取り組んでこられ、菅政権の目玉政策に仕立て、今まさに実現させようとしている野田聖子議員のご活躍とご奮闘に、心からの敬意を表するものです。

その認識の元、性教育・不妊治療プロジェクトの仲間にも、ぜひ野田さんの話を聞いてほしい。そして性教育・不妊治療分野に限らず、政治の世界でこの先も長く活躍していくであろう各議員が、己を賭けて取り組むテーマを実現する上で、この間の野田代議士のご経験を重要な羅針盤としていただけるのではという思いで、勉強会を企画しました。

野田聖子事務所のお取り計らいで、実際に「山を動かす」場面で中心的な役割を担われた、和田政宗参議院議員にもお呼びかけをいただき、お二人の国会議員から各1時間のご講演をいただくことができました。

野田議員からは、主に「不妊治療・生殖補助医療の取組みと展望」についてお話しいただきました。
「不妊治療の保険適用」を進めていくだけでなく、生殖補助医療によって出生した子の親子関係や、不育症、小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存、相談・啓発や働き方まで、非常に幅広いテーマについて、当事者や法律家から話を聞いておられることを感じました。ただ話を聞くだけでなく、唯一の立法機関である国会議員の立場で、法律としてどのような形を目指すべきなのか、という点についても思うところをお話いただき、将来国会議員を意識しているメンバーは特に刺激を受けているようでした。
個人的に、2つの宝物のような言葉をいただきました。「不妊治療をしてまで赤ちゃんを迎えようとしている優しいお母さんのために」というフレーズに深い愛情を感じ、「久しぶりに性教育って文字を見たんだけど、性教育は本当に大事。生命の安全教育ではなく、性教育としてしっかり向き合って変えていかないと、不妊治療の世界が本質的には変わっていかない」というお話は、プロジェクトチーム設立時の思いが蘇ってくる思いでした。どちらのお言葉も、僭越ではありますがまさに「我が意を得たり」というところで、これらのお言葉を胸に、引き続き取り組んでまいります。

(2021年11月14日追記)不妊治療をしてまで赤ちゃんを迎えようとしている「優しい」お母さん、という言い回しに、違和感を覚えるというご指摘をいただきました。野田議員の心の中をどこまで推し量ることができているかはわからないのですが、我が子を腕に抱く情景を信じて辛い治療を続けている心象風景を「優しい」と表現したのではないかと私は推測しています。治療を続ける精神的な「強さ」ではなく、まだ生まれ出でぬ我が子を思う「優しさ」が治療の原動力になっている、という趣旨だと直観的に捉えて共感したものです。それは私の当時の心象風景とも重なるものです。

和田政宗議員からは、「不妊治療の保険適用に関するこれまでの経過」や、「政策を実現するために、国民の目に見えないところでどのような調整、根回しを行っていったのか」というテーマのお話をいただきました。
和田議員は今は自由民主党の参議院議員ですが、それ以前にはみんなの党や次世代の党で、野党として国会議員を務めてこられた経験から、「野党議員の政策実現は詰将棋」というお言葉をいただきました。法令を徹底的に研究し、強いロジックで実現に進めていくということと理解しています。また、山を動かす場面の話として印象的だったのが、「不妊治療の現状に課題感のある実力者はたくさんいたが、実務を進めていく役割の人がいなかった。それを把握した上で、自分が雑巾がけをすることにした」というお話でした。多くの議員の参考になるお話だったのではないかと思います。菅総理を支える場面で、政治の裏側の話も少し伺うことができ、純粋に楽しい時間でした。和田議員のアナウンサー同期でもある高島市長の福岡市が今年度から開始されたプレコンセプションケアの事業は、自治体議員として具体的に研究していきたいテーマで、ありがたい示唆をいただくことができました。

性教育・不妊治療プロジェクトの勉強会は、昨年5月15日の第1回から、今回の勉強会で12回を数えることとなりました。今回の勉強会は企画した私にとって一つの集大成となったように思っています。少子化に課題意識を持つ多くの議員と共に、より幅広く、より豊かな学びを実現できるよう、引き続き尽力していければと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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