5月23日の一般質問について(質問全文)
5月23日、令和4年第2回定例会の本会議で一般質問を行いました。
1.防災について
(1)杉並区業務継続計画
(2)杉並区国民保護計画
2.いじめについて
3.遠隔医療について
以下に質問の全文を記載します。
自民・無所属・維新クラブの松本みつひろです。通告に従い、防災について、杉並区業務継続計画や杉並区国民保護計画を中心に伺います。また、いじめについて、遠隔医療について質問してまいります。途中、いじめの項で資料の提示をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
杉並区業務継続計画について、伺います。区では令和3年8月27日と令和4年1月13日に、新型コロナウイルスの区内感染者増に対応するための保健所応援体制確保を目的とした業務継続計画(以下BCP)を発動しています。昨年度実施された二度のBCP発動について、現時点でどのように振り返っているか、区の見解を伺います。今年1月に発動したBCPを停止する時期とその条件を、どのように考えているか、答弁を求めます。
今年はここまで、地震発生が多い年となっています。5月21日までの集計で、国内では震度3以上の地震が84回観測されており、そのうち杉並区で観測された場合に災害即応体制を整備することとされている、震度5弱以上を観測したものが6回を数えています。まずは、杉並区業務継続計画【震災編】について確認してまいります。
同計画のP9では、非常時の体制として災害対策本部と関係機関が記載されていますが、あわせて会議室も明記されているなど、これらは参集して会議を行うことが前提となっています。令和2年第2回定例会の私の一般質問で、オンライン会議システムの活用を提案して以降、令和2年第4回臨時会で議決した6号補正で171台の専用端末を購入するなど、区としてもオンライン会議システムを導入し、少しずつ活用が進んできているものと承知しています。業務の継続性をより高める観点から、オンライン会議をBCPの中に組み込むべきと考えます。次回の杉並区業務継続計画【震災編】改定の際に、オンライン会議の活用を盛り込むことについて、区の見解を伺います。また、発災時にオンライン会議を活用するためには、平時の機器配備やBYODへの対応にも意を用いる必要がありますが、このことについての区の検討状況を確認します。
初動配備態勢要員に指名されている職員が約360名いることとされていますが、どのような基準で指名しているか確認します。発災時には自分自身の安全と家族の安全を確保することが最優先であり、このことについては初動配備態勢要員に指名されている職員も例外ではありません。人権の観点だけでなく、BCPの実効性を担保する観点からも、特段の配慮を要する家族と同居している職員が初動配備態勢要員に含まれていないことは重要と考えますが、現状どのようになっているか確認します。特段の配慮を要する家族について、特に妊産婦や乳幼児など、特段の配慮を要する期間が限られる状況をどのように把握し、初動配備態勢要員の指名表に反映しているか、その具体的な手続きと所要期間を確認します。また、職員全員の安否確認については、22ページに非常参集システムの記載がありますが、使用しているシステムの名称と訓練の状況を確認します。
杉並区業務継続計画【震災編】のP12に、災害時における指揮命令系統の代行順位が定められています。これは、内閣府が平成28年2月に公表した「大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手引き」に必ず定める事項として記載されている「業務継続計画の特に重要な6要素」の筆頭に挙げられている項目であり、令和元年6月の改定で精査された項目です。災対都市整備部長は都市整備部長とされており、職務代行の順位が第4順位まで定められていますが、第3順位に「都市整備部参事」が位置付けられています。令和4年4月1日現在、都市整備部には参事が5名います。現時点で発災し、都市整備部長、まちづくり担当部長、土木担当部長が直ちに指揮できる状況にない場合、どの参事が指揮を執ることとなっているか確認します。また、計画を改定し、この点をより明確にすることを求めますが、これについて区の見解を求めます。
P13以降は、電気、水、食料等の確保について記載されています。これらの計画の基礎となっているのは平成24年4月に都が公表した「首都直下地震等による東京の被害想定」の停電率等ですが、これは2006年年5月に公表したものが初版で、東日本大震災を踏まえて改定して以降、10年間同じ想定を使用していることとなります。この間、2016年には熊本地震が発生し、同年に就任した現在の都知事は「セーフシティ」を実現すると宣言していました。当然、セーフシティに資する施策を進めてきたのだろうと思いますが、そうであればなぜ「首都直下地震等による東京の被害想定」が見直されないのか、疑問です。「首都直下地震等による東京の被害想定」等、地震災害の想定の見直しについて都がどのように考えているか、区として把握していることがあればお示しください。
P29には、ICTインフラ資源の被害想定における対応要員についての記載がありますが、業務時間中の委託事業者保守員が、SLA等により、1時間以内に必要数が参集可能とされており、また業務時間外・休日も要員の半数が参集可能とされています。発災時の移動速度は時速3キロで算定していると次のP30で記されており、これは他自治体もシミュレーションに使用している一般的な数値である、と当時の防災課長が本計画の報告を行った災害対策・防犯等特別委員会で答弁されていますが、参集場所とされている本庁舎の情報政策課執務室まで3キロメートルの範囲を確認すると、ほぼ全域が杉並区内、一部中野区を含んでいる範囲となります。緊急対応要員の参集想定について、改めて現時点での緊急対応要員の居住地等の状況を確認します。そのような観点も含め、実効性を担保する観点から計画やSLA等に必要な改定を求めるものですが、区の見解を伺います。計画には含まれていませんが、区は改定以降、災害対策の観点も含めサーバーのクラウド化を進めています。復旧期に罹災証明等の迅速な対応ができるよう、また復興期に必要なデータの喪失を最大限防ぐ観点から、区のシステムや情報資産をなるべくクラウドに移行していくことが望ましいと考えます。区の見解を伺い、現時点の取組状況を確認します。
電波法関連法令である無線設備規則の平成17年改正により、地域防災無線設備が旧スプリアス規格となり、2022年12月1日以降使用できなくなることから、必要に応じて移動系防災無線を新規に整備・充実することが149ページに記載されています。その後、新型コロナウイルス感染症による社会経済への影響等により、設備製造や移行作業に遅れが生じていることから、2021年8月3日に新スプリアス規格への移行期限を「当分の間延長する」こととし、他の無線局の運用に妨害を与えない場合は使用することができることとされました。一方、総務省によると、新スプリアス規格への移行対象となっている国内約276万局のうち、約8割に当たる210万局が既に移行しているということですが、区の移動系防災無線について、地域防災計画の記載通り、平成33年度中に新スプリアス規格に適合した無線機器に入れ替えを行ったか、その検討の経緯とあわせ確認します。
この項の最後に、計画の中には施設再編整備を経てリニューアルされた施設について、従前の設備が記載されている点や、この間強化を進めてきた備蓄やデータバックアップ体制についても反映されていないなどの点が散見されることから、改定の時期が到来しているのではないかと考えますが、杉並区業務継続計画【震災編】の改定の目途をお示しください。
ここからは、平成19年3月に策定、平成28年2月に改定されている、杉並区国民保護計画について伺います。2月24日に始まってしまった、ロシアによるウクライナ侵攻では、ロシア軍がマリウポリで化学兵器を使用した疑いがもたれ、またロシアのラヴロフ外相が核戦争のリスクに言及するなど、依然緊迫した状況が続いています。日本がロシアへの経済制裁に加わったことを受け、日本に対する報復措置を講じていくとロシア外務省のザハロワ報道官が記者会見で表明するなど、我が国にも累が及ぶ懸念が強まっています。「杉並区国民保護計画策定の基本的な考え方」には、「無論、外交等による平和への取り組みは重要だが、こうした努力のみでは国民の安全を確保できる保障はない。危機が発生したときに機敏に対応し、区民の生命・身体・財産を守る対策は必要」と記されており、この問題意識と国民保護法第35条の規定に基づいて、「人為的な危機」への対応として策定された同計画について確認してまいります。
まず、計画のP5には、区国民保護計画の見直しについて、「今後、国における国民保護措置に係る研究成果や新たなシステムの構築、都国民保護計画の見直し、国民保護措置についての訓練の検証結果等を踏まえ、不断の見直しを行う」とありますが、前回改定の平成28年2月以降の、国や都の主な取組にはどのようなものがあるか、区の認識を伺います。また、計画の変更にあたっては、区国民保護協議会に諮問することとされていますが、同協議会の概要と、平成28年2月以降の実施状況を確認します。
23ページ以降は、区が想定した11の事態例を設定し、基本的な避難の3パターンを示しています。弾道ミサイル攻撃や急襲的な航空機攻撃、ゲリラ・特殊部隊による攻撃など、突発的な事態の発生または予兆を捉えた時には、区民等は屋内に避難または退避することが基本とされています。屋内の退避にあたっては、「家の中または近くの堅牢な建物内」とされていますが、「堅牢な建物」をどのように定義しているか、また自宅が堅牢とはいえない状況も考えられることから、「家の中」という記載は除いた方がよいのではないかと考えますが、このことについて区の見解を伺います。開口部からは極力距離を取ることが望ましいかと考えます。現に「杉並区避難実施要領」内にある避難実施要領の記載例には、建物中央部や地下への避難、また窓から離れる、窓のない部屋に移動といった、緊急時の具体的な留意点についての記載があります。このような、緊急時に区民が取るべき具体的な行動は、機会を捉えて周知する必要があると考えますが、区の見解を求めます。堅牢な構造物であり、開口部が少ない施設として、区内を走る東京メトロ丸ノ内線があります。計画の中では、地下鉄コンコースと地下街を一時的な避難・退避場所とすることについての記載がありますが、同計画が想定しているNBC攻撃が行われ、沿線住民の大半が地下に避難する際、コンコース等に収まりきらず、地下鉄線路上に逃げ込む方も出てくるのではないかと思います。このようなケースを想定しているか、また地下鉄線路上に避難できると想定する区民の数はどれくらいか、お示しください。パターン②:区内、区外の避難所に避難させる必要がある事態と、パターン③:不特定多数の区民を警戒区域外に退避させる必要がある事態では、「一時的な集合場所」という記載があります。一時的な集合場所は予め指定されているものなのか、現時点の指定状況とあわせ確認します。
51ページには、武力攻撃事態等への対処における区対策本部の設置について記載されています。本部の代替場所として、第1候補に中央図書館、第2候補に杉並清掃事務所高円寺車庫とされていますが、令和3年3月に公表された旧杉並中継所の跡地活用の中で、本庁舎が被災等により、建物被害や電気喪失が生じ、本庁が使用不能となった場合の指揮・命令等を行う本部施設として旧杉並中継所が指定されました。現時点では第1候補が旧杉並中継所、第2候補が中央図書館、第3候補が杉並清掃事務所高円寺車庫になっている、という認識でよいか、伺います。63ページには民間からの救援物資の受入れ場所の一つとして、杉並区永福体育館が指定されていますが、地域内輸送拠点の機能は移転先の永福体育館が継承しているかについて、確認いたします。69ページ、警報の内容の伝達方法について、「武力攻撃が迫り、または現に武力攻撃が発生したと認められる地域」に区が含まれる場合は、原則として、「同報系防災行政無線で国が定めたサイレンを最大音量で吹鳴(すいめい)して住民に注意喚起」との記載がありますが、この間議会でも、防災行政無線の音量不足が指摘されてまいりました。サイレンの具体的な発信内容と音量を確認し、注意喚起が必要十分になされるかについて区の見解を求め、また他の伝達手段をどのように整備しているか伺います。
144ページには、国民保護についても既存のボランティア制度の活用を進めることが記載されていますが、一般ボランティアを受け入れる場所は「あんさんぶる荻窪」とされています。縷々指摘してきた箇所のみならず、これらの記載も見直す必要があることから、杉並区国民保護計画についても、改定時期の目途について、区の見解を求め、次の質問に移ります。
2.いじめについて
ここからは、いじめについて質問してまいります。杉並区では、区立小学校に在籍していた児童及びその保護者から、小学校の教職員等がいじめ行為を防止する義務を怠った結果、多大なる精神的苦痛を受けた等として、区及び児童4名の保護者に対し訴えが提起されたことに関する和解の専決処分が令和3年第1回定例会で報告されました。区教委は令和元年12月に「杉並区のいじめ対策」をまとめていますが、区では「いじめ」をどのように定義し、どのような対応方針を採っているか、まず伺います。平成29年度以降の、区立小中学校におけるいじめの発生件数とその状況について確認し、いじめの発生状況に関する区の見解を伺います。いじめの発見は、学級担任の教員が行うことが多いものと認識していますが、いじめを発見して以降の対応の流れを確認し、長時間労働との兼ね合いから、いじめ発生時の標準的な対応について区教委の見解を伺います。教員の長時間労働が問題となって久しいですが、いじめを発見することによって働き方改革にディスインセンティブが働く構造の中、正義感と職業的倫理観をもって早期発見と早期対応に努めている現場に敬意を表すると同時に、この構造を改革する必要性を感じているところです。
昨年2月、旭川女子中学生いじめ凍死事件が発生しました。加害児童・生徒の残虐行為だけでなく、当該中学校の教頭をはじめとする、学校側の不適切な対応についても繰り返し報道され、国会でも取り上げられるなど全国的に注目される事案となりました。今年の3月27日に旭川市教育委員会の第三者委員会が中間報告で6項目についていじめがあったと認定し、29日に旭川市教育長が遺族に直接謝罪をしました。この経過の間に、事件発生時の市長は昨年10月31日執行の衆議院議員選挙に出馬するために市長を辞職し、昨年9月26日執行の市長選挙で選ばれた今津(いまづ)寛(ひろ)介(すけ)氏が市長に就任しています。今津市長は12月24日、いじめ防止に対応する課を市長部局に設置している大阪府寝屋川市を視察し、「旭川市でも市長部局でいじめの問題に取り組む組織の設置を検討したい」と述べ、2023年度の設置を目指しているということです。
寝屋川市は2019年5月に就任した広瀬慶輔市長のもと、同年10月に市長部局である人・ふれあい部内にいじめ対応の専門部署「監察課」を設置し、市内小中学校のいじめ問題の解決に取り組み始めています。寝屋川市が指摘しているのは、SOSの見逃しや初動対応の遅れ、子ども達を取り巻く環境の変化などによりいじめ問題が長期化・複雑化するというケースが全国的に後を絶たないことであり、その再現性の高さの要因として、「学校現場が教育的指導としての正しさを追求すればするほど、いじめ問題の深刻化に陥る」という「教育的アプローチの限界」仮説を立てています。この仮説のもと、学校現場への教育カウンセラーの派遣や、教育委員会への第三者機関の設置など、「教育的アプローチ」の補強は行わず、「教育的アプローチ」では「いじめの予防・見守り」に専念することとしています。その上で、第2段階として「行政的アプローチ」を新たに導入し、児童・生徒に「被害児童・生徒」「加害児童・生徒」という概念を取り入れ、対応しています。さらに第3段階では警察への告訴、民事での訴訟を行うルートを確保・指導する「法的アプローチ」を導入することで、第2の「行政的アプローチ」の実効性を担保する、という役割分担をしています。
教育現場と市長部局が役割分担をする体制を構築する上での考え方として、「いじめは市民間の人権侵害であり、子どもも市民の一人として、いじめという人権侵害を市として解決していく」というものがあり、いじめ問題の予兆の把握から問題解決までを教育現場に任せるのではなく、教育現場と役割分担をしながら児童・生徒の命と尊厳を守る寝屋川市の取組とその姿勢は注目に値するものと思います。このような役割分担について、区と区教委それぞれの見解を求めます。
この取組について、行政の教育介入に当たるのではという指摘もあるようですが、2022年2月9日付東洋経済education×ICTの記事によると、「人権侵害に対応する専門部局としての活動であって教育内容への介入には当たらず、中立性は侵していない」と担当部局である監察課は説明しているようです。いじめの問題を区長部局と役割分担して取り組むことは行政の教育介入にあたると考えるか、区教委の見解を伺います。(資料掲示)監察課がいじめに対応した件数は、年度途中に事業が開始された2019年度が172件、2020年度が169件、2021年度が183件で、全件について1ヶ月以内にいじめ行為を停止させ、いじめの終結を確認しているということです。(資料反転)寝屋川市においても、いじめの発見は学級担任の教員が発見するケースがほとんどということですが、被害者本人や保護者だけでなく、いじめに悩む友達の情報やいじめの目撃情報などの「通報」も含め、自分が「いじめ」と感じたことを相談する手法についても、寝屋川市は毎月全校児童に配布するいじめ通報チラシや、メール、LINE、フリーダイヤルなど、学校にではなく監察課に直接連絡する様々な手法を利用しています。「杉並区のいじめ対策」では、「自ら」SOSを出す力を高める取組を記載していますが、これに関する具体的な取組について確認します。寝屋川市の取組を参考に、友達など周囲からの通報によっていじめの早期発見に努めることも「杉並区のいじめ対策」等に明記してはと考えますが、このことについて区の見解を伺います。
「杉並区のいじめ対策」には、LINEを活用したいじめ相談の研究という記載がありました。いじめの相談や通報だけでなく、いじめや家庭内の問題を捕捉することを目的としたアンケートの定常的な実施なども、一人一台タブレットを活用することでこれまで以上に簡易に実施、また結果の集計や把握も簡単にできるようになりました。ICTを活用した心理的障壁の低い相談・通報や、児童・生徒の状況把握アンケート等の仕組みを構築することについて、現時点での区の取組状況を伺います。プログラミング教育や消費者教育、理数教育の充実などが学習指導要領の改訂のポイントにあげられ、さらに今後包括的性教育等の実施が期待されるなど、その役割と重要性を増す学校現場において、過重労働を解消するためには適切な役割分担が重要である、と重ねて指摘し、次の質問に移ります。
3.遠隔医療について
続いては、新型コロナウイルス感染症の流行によって注目されたサービスのうち、遠隔医療について質問します。遠隔医療とは「情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為」と定義されており、このうち相談者の個別的な状況を踏まえた診察・診断・処方などを行う行為は「オンライン診療」、個別的な状態を踏まえた診断など具体的判断は伴わないものの、医師-相談者間において、情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行い、患者個人の心身の状態に応じた必要な医学的助言を行う行為は「遠隔健康医療相談」と定義されています。
杉並区では以前から医師会・薬剤師会の協力を得て休日・夜間診療事業を杉並保健所内等で実施していますが、この事業の利用実績について確認します。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対応として、全ての診療科で、主に発熱している方を対象に医師との電話診療を行っているかと思いますが、この対応状況を確認します。診療の精度をより高めるためには、画像や動画等の情報もあることが望ましいかと思いますが、区ホームページには「スマートフォンやタブレット端末を使ったオンライン診療は行っておりません」と明記されています。区の休日等夜間急病診療所における、オンライン診療の導入について、検討状況を伺います。
私の子どもが通う保育園で利用している連絡帳アプリとの連名で、ファストドクターというサービスのマグネットシールが園から配布されました。時間外救急の総合窓口として、症状に応じて救急病院案内や夜間休日往診、オンライン診療など適切な医療の選択を支援するサービスで、私自身土曜日の夜中に子どもの体調が悪化し、区の休日等夜間急病診療所が休診している時間帯に当該サービスの遠隔健康医療相談を利用し、家庭内で適切に処置できたことがありました。杉並区の救急医療体制を利用できないケースについて、現状どのような時間帯にどのような対応ができない状況か、確認します。
ファストドクターは医師1,250名の連携によって自治体向け24時間医療サポート事業を提供しており、都道府県では東京都、大阪府、高知県などが、基礎自治体では練馬区、板橋区、荒川区などが連携を開始しています。24時間365日の医療体制を構築するために、民間事業者と連携を進めることを提案しますが、このことについて区の見解を求めます。
遠隔健康医療相談のサービスである産婦人科オンライン、小児科オンラインが、横浜市の「令和2・3年度オンライン健康医療相談モデル事業における成果連動型業務委託」による業務委託を受け、令和2年9月から令和4年2月まで、横浜市在住の妊産婦に遠隔健康医療相談や医療・健康情報を提供しました。この事業について、東京大学の研究チームから学術的評価を受け、妊娠中からオンラインによる遠隔健康医療相談を提供されたグループでは、産後うつ病高リスク者の割合が相対的に33.5%低かったことが示されました。産後うつ病は一般的に、出産をした女性100人のうち10~15人に起こることがわかっており、産後女性の自死や、子への愛着障害、虐待とも関連するリスク因子であることが報告されています。産後うつ病対策について、区のこれまでの取組を確認します。一定期間とはいえ、産後女性の全てに長期的な支援を対面で提供することは人的資源の観点から難しく、産前産後のさらなる支援の一つとして、オンラインによる遠隔健康医療相談サービスの導入や、その他オンラインを活用した妊産婦支援を拡充することを提案しますが、このことについて区の見解を求め、質問を終わります。