11月19日の一般質問について(質問全文)
11月19日、令和6年第4回定例会で一般質問を行いました。
- 選挙について
- まちづくりについて
(1)建物の高さ
(2)荻窪と15分都市- ベビーシッター利用支援事業について
- 不動産IDについて
以下に質問全文を記載します。
維新・無所属議員団の松本みつひろです。
質問に入る前に、一言お悔やみを申し上げなくてはなりません。当区のご出身であり、戦後日本を代表する詩人であります谷川俊太郎氏が、今月13日に逝去されました。この仕事に就き、改めて氏の代表作である『生きる』を読んでみると、そうとは書いていないけれど、そこには確かに杉並の情景があるように感じられ、平易な言葉で綴られた表現に込められた奥行きに圧倒されたものでした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
それでは、通告に従い、選挙について、まちづくりについて、ベビーシッター利用支援事業について、不動産IDについて質問します。
1.選挙について
まず、今回の衆議院議員選挙における、投票率向上に向けた取組について、従来から行っていることと、今回新たに取り入れた施策について伺います。
区公式LINEの選挙啓発への活用について、公示前日の14日の広報すぎなみ臨時号発行、16日の期日前投票開始、26日の期日前投票最終日、27日の投票日の4回投稿されています。杉並区広報課のXアカウントは、概ね公式LINEと同じタイミング、同じ内容で広報していますが、20日に区役所以外の期日前投票所15ヶ所がオープンしたことの告知はXのみの投稿でした。投稿スケジュールはいつ決定したものか、期間中に追加することにした投稿はあったか。投稿内容やタイミングを主導したのは選管か広報か、確認します。今回の衆議院議員選挙では期日前の投票率が低く、当日も日中投票率の伸び悩みが見られましたが、たとえば当日正午時点の投票率を示すとともに再度の投票依頼を行うなど、一日に複数回の投稿を行うことは検討しなかったか、伺います。
今回の選挙にかかる経費については、10月10日に補正予算の議決をしていますが、ポスター掲示板設置については10日の予算成立を待っていては公示日に設置が間に合わないことから、予備費を流用し予算成立前から対応を開始しました。専決処分で対応した自治体も多くある中、補正予算を編成し議会の議決に付す区の姿勢は評価します。一方、今回の衆議院解散スケジュールについては、9月30日に開かれた記者会見で石破新総裁が10月9日の解散を表明したものであり、万が一9日に解散されなかったとしても、衆議院議員の任期を考えれば来年10月までに必ず衆議院議員選挙が執行される状況でした。「選挙のお知らせ」、いわゆる投票券の到着遅れが話題となり、期日前投票が少ない原因ではないか、という指摘を選挙期間中に数多くの有権者から受けました。こちらも予備費で対応していたということですが、「公示後できるだけ速やかに交付するように努めなければならない」と定められているところ、到着が22日となった地域もあったように聞いています。解散を待たずに補正予算を編成・審議し、時間的なゆとりを確保した予算執行を行い、解散されなかった場合は補正事業を繰り越すという方法もあったのではないかと思いますが、解散される前に補正予算の審議を行おうとしなかった理由を伺います。
杉並区内には2つの選挙区があり、前回7区だった地域を含め区の南東部が27区、それ以外を8区として衆議院議員選挙が行われました。小選挙区の投票率を見ると、8区が60.04%、27区が56.11%と約4pt開いていました。前回は8区が61.03%、7区の杉並区内は53.86%、差が約7ptあり、今回は縮小したものの、このような投票率の差が発生している理由について、見解を伺います。
衆議院議員選挙と同時に最高裁判所裁判官国民審査があり、1枚目と2枚目は自書式、3枚目は記号式と記入方法が異なりました。国政選挙においては自書式が法令によって定められていますが、地方選挙では記号式が選択可能となっており、今年6月の港区長選挙が記号式で行われるなど実績も増えています。NHKウェブサイト内「みんなの選挙」2023年7月1日付の記事では、障害をお持ちの方が書字に苦労され、記号式投票を望む姿が紹介されています。合理的配慮の観点で、区で執行する今後の選挙について、当日投票のみとするなど部分的に記号式投票を導入してはと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。その際、区で使用している投票用紙を仕分けする機械について、いつ、いくらで導入したもので、記号式投票への対応は可能なものか、確認します。障害による、投票を実施する上での様々なバリア解消を目的に、また記号式投票の課題である、立候補届終了後の印刷などの事務負担軽減を目的として、投票所内でのタブレットを用いた投票方式を併用することについて、見解を伺います。
同記事では右半身に麻痺がある当事者が、指定の当日投票所が靴を脱いで入場する形式であり、靴の脱ぎ履きに困難があるため、書字にも課題がある中あえて期日前投票所で記名投票をしたという状況が紹介されています。土足での入場や車椅子での入場など、投票所におけるバリアフリー対応について、区内投票所の現状を確認します。
私自身の投票の話ですが、今回12年ぶりに期日前投票を行いました。杉並区役所中棟6階の期日前投票所では、名前と住所を書いた紙を係員に渡し、有権者名簿と照合し、投票券が発行され、投票しました。特段の本人確認も行われず、名前と住所だけで投票できるとなると、なりすまし投票が懸念されますが、本人確認を行わない理由を伺います。期日前投票における本人確認については、自治体によって様々な対応があるようですが、せめて身分証明証の確認くらいは行ってはどうか。本来的にはマイナンバーカードを活用した認証を行うべきと考えるが、これは法令的には対応可能か、見解を伺います。当日投票に足を運んだら、既に投票用紙を発行していた、という事案は今回の衆議院議員選挙では発生していないか、仮に発生した場合にはどのような対応が行われるか、確認します。
この項の最後に、いわゆる「ひとり街宣」について伺います。選挙期間中、荻窪駅などに連日、政治的なメッセージを記したプラカードを首から下げ、拡声器などを用いず肉声で特定候補への投票依頼を行う者がありました。衆議院議員選挙では、選挙運動用の標旗として候補者本人の標旗、比例ブロック車標旗、比例標旗の3種類があり、比例の2種類においても比例投票の呼びかけに対し従たる範囲で小選挙区立候補車への投票呼びかけが可能と解釈されているところではありますが、「比例標旗のない場所で候補者への投票依頼を行うこと」「証紙を貼っていないプラカードを掲示すること」という2つの行動については、公職選挙法に違反しているのではないか、見解を伺います。選挙種別ごとにルールが異なることから、悪意なく違法行為を行っている場面はあるものと認識しており、ルール自体を見直す必要性は認識しています。その上で、現行のルールの中でいわゆる「ひとり街宣」としてできることについて、一度整理することが必要であると思います。区議・区長選、都議選、衆院選、参院選、都知事選それぞれの選挙種別において、「ひとり街宣」として行うことができる内容にどのように違いがあるか、このことについては区長に答弁を求め、次の項に移ります。
2.まちづくりについて
(1)建物の高さ
先の定例会で保健福祉委員会に報告された「杉並区子どもの居場所づくり基本方針(素案)」でも、他施設との併設や複合化を前提として、新たな児童館の整備が掲げられていました。今後もこうした複数の機能を併せ持つ施設づくりを推進していく上で、高層化、土地の容積率を最大限活用した建物を作り機能を集約化していくこと、その上で所有建物数を減らし、行革観点でいえば売却や賃貸に回す、また福祉増進観点でいえば公園など地域のニーズにあった空間に転用する、といったことが今後必要になっていくのではないかと考えています。
区ではこれまで施設建設にあたり、建設地周辺の区民の要求を受け、容積率を余らせる建築物を多く作ってきたものと認識しています。荻窪駅周辺の区立施設として、ウェルファーム杉並、杉並保健所、桃井第二小学校について、容積率を最大限活用した建物を建設していた場合、現状からどの程度床面積が増えていたか、確認します。また元々は区立施設であった現在の荻窪税務署についても、建築制限上の最大規模の建物を建設していた場合には、財産交換上の交換価格算定も変わっていたことが考えられます。その結果一定の歳入を見込むことができたのではないか、また施設内に区立施設の部分を残すということができた場合には、区民の利便性や生活・子育て環境面でプラスがあったばかりではなく、屋上部分の立体都市公園荻窪だんだん公園の開園以来の課題である、土日閉園についても対応ができたのではないかと考えます。現在の荻窪税務署についても、容積率を最大限活用した建物を建設していた場合、現状からどの程度床面積が増えていたか、確認します。
杉並区区立施設再編整備改革(第2期)第1次実施プランでは、「真に必要な規模」「可能な限り、延床面積を少なくする」などの記載から、トータルコストの適正化に努めようとする意思が明確に示されています。一方で後継計画である杉並区区立施設マネジメント計画第1期第1次実施プランには、トータルコストの適正化についての記載はあるものの、「真に必要な規模」「可能な限り、延床面積を少なくする」といった記載が落ちています。その意図を確認するとともに、トータルコスト抑制のために延床面積を減らすことに代わる手段として、どのようなことを実施または検討しているか、伺います。また延床面積の増大によるトータルコスト増を補うために、区立施設に「稼げる」機能を付加することができれば、延床面積抑制策からの政策転換も肯定されうるわけですが、区立施設における「稼げる」機能について、実施または検討していることをお示し下さい。
都道を車で走っていると、沿道のスカイラインが概ね揃っている景色から、杉並区に入るところでスカイラインが崩れ、その景色を見て杉並に帰ってきたなぁと感じるものがあります。すまいのみやこたる杉並区として、高度利用と低層の街並みがうまく組み合わされた、メリハリのある都市計画は重要なものであると考えます。都道沿いに社屋を構える企業経営者から、北側斜線制限が厳しく最上階が下がり天井になってしまう建物が多くできてしまい、建物の有効活用や資産性の観点で課題があるのでは、と問題提起されたことがあります。北側斜線制限自体を見直すことは難しいとしても、区の立場で建物の資産性を損なう規制を適切に見直し、また都に求めていく必要があると思います。このことについて見解を伺います。現行の都区制度の中では区は都市計画の決定権限を持っておらず、これは全国1,741の基礎自治体のうち東京23区だけが持っていない権能であることから、特別区長会が都に求めている重点事項にも挙げられていますが、都区間の協議によって都市計画の変更を行っている事例は数多あります。都道沿いの一中高、二中高の範囲については、新規建築の計画時点で範囲を柔軟に広げるなどすれば、下がり天井の建物が乱造される状況はなくなると思いますが、杉並区と都で都市計画の変更協議を行った実績と実際に変更された実績について、令和元年以降何件あるか、他区と比較してどういった状況か、確認します。
(2)荻窪と15分都市
荻窪駅周辺では、現在東京都が事業主体として自動運転車によるグリーンスローモビリティ実証運行を行っており、25日からは本格運行が開始される予定になっています。グリスロの路線上も含め、荻窪4丁目、5丁目のゾーン30プラス設置も完了し、来月には荻外荘公園が開園するなど、荻窪駅周辺まちづくりとしてこの間取り組んできた主要事業が年内に形になってまいります。各事業に携わって来られた皆様の長年のご労苦に感謝申し上げつつ、この先の荻窪のまちの姿について、次の一手を区はどのように考えているのか、議論を深めてまいりたいと思います。
まず、今月2日に旧若杉小学校跡地の本格活用に関するワークショップの第一回が行われました。今回は施設の現状や地域が抱える課題を共有することが目的ということですが、どういった方々が参加され、どのような地域課題が抽出されたのか、確認します。
旧若杉小跡地の最寄り駅出口でもある荻窪駅西口を南北に結ぶ荻窪西口連絡橋について、通行には支障がないが内部に金属疲労や腐食が見られるということから、線路側の歩道部下側の化粧板を外し、夜間に補修工事を行ってきましたが、この工事が休工となっています。下部の歩道を塞いで工事に着手してからかなり時間もかかっていますが、一連の工事の状況と、完了の見通しについて確認します。昨年第4回定例会の総務財政委員会の質疑の中で、この連絡橋下の歩道部分が路上禁煙地区内の路上喫煙場所や、北口の商業施設に行く時の放置自転車の置き場所になっていることを指摘し、歩行者の安全な歩行空間確保の役割をほとんど果たしていないことも踏まえ、完全分煙型の公衆喫煙場所として整備することを提案しましたが、この場所が道路だということで否定されています。都市計画法の開発行為によって道路を廃止し、建築物の建築を行う「土地の区画形質の変更」という手続きが存在しますが、今後の区内分煙環境の整備に、この手続きを活用する考えはないか、見解を伺います。
荻窪駅南口公衆喫煙場所について、11月5日から24日まで、改修工事を実施しています。改修の内容は喫煙場所内に存在していた花壇を撤去し、喫煙場所の面積を広げることではみ出し喫煙を防止することと聞いていますが、喫煙場所の面積がどの程度広くなり、そのことによって喫煙場所内に収容できる人数はどの程度増えると試算しているか、確認します。
その線路向かい、荻窪駅北口の東側地区、荻窪銀座街エリアでは、平成4年に「荻窪駅北口東地区市街地再開発準備組合」が発足し、平成22年に解散しています。今年2月のアド街ック天国でも「呑兵衛さんが集う荻窪駅北口の渋い路地」と紹介されていた、昭和の趣を湛えたエリアですが、この地域の西側、北口駅前広場と隣接した地域の建替え計画が進んでいるという情報を耳にしています。区として把握している情報があれば、可能な範囲でお示し下さい。商業地域で建蔽率80%、容積率600%、敷地面積の最低限度や最高高さ限度の指定はなく、建築面積によっては一般的な共同建替えでも一定程度の高さの建物を建てることができる場所であると認識していますが、都市再開発法に基づく市街地再開発制度を活用して進めていく方針なのか、確認します。また当該地区は低層階商業業務誘導地区でもあり、地上1、2階に商業業務施設が入ることになっていくものと思われますが、3階以上も商業業務系か、住宅になる見込みか。地下部を活用する予定はあるのか。北口駅前広場と隣接していることから、ロータリー車道部や歩道部の環境改善等を図るまたとない機会であると考えます。そのような交渉を行っていく考えがあるか、確認します。
先ほども触れた通り、当該地区は線路の向かい側が区有の公衆喫煙場所であり、その向かいには築40年を迎えようとする大型マンション、隣地は広い駐車場でその隣は築50年近い大型マンションと続く街区が広がっています。将来的に線路上部に南北自由通路を設置できる可能性の残された貴重な場所であり、北口の当該プロジェクトに対しても、2階部または3階部に将来ペデストリアンデッキとの接続が可能な設計上の考慮を求めておくべきではないかと考えます。このことについて見解を伺います。
ここまで、半時計回りに荻窪駅周辺の今後の取組テーマに言及してまいりました。都市政策のトレンドとして今世界で注目されている「15分都市」は、2016年にソルボンヌ大学のカルロス・モレノ教授が提唱した概念で、そのコンセプトはウォーカブルや複合用途地区など、アーバニズムに関する過去のトレンドの再構築として見られていたところから、2020年のパリ市長選挙でアンヌ・イダルゴ市長が都市計画政策として選挙公約に盛り込んだことによって広く知られるようになりました。15分都市とは、生活、仕事、買い物、医療、教育、自己啓発の6つの社会機能に対し、15分以内に徒歩または自転車でアクセスでき、社会生活にとっても地球環境にとっても持続可能となる新しい都市モデルのことを指します。15分都市実現の課題となりがちな「仕事」について、荻窪駅は世界最多の乗降客数とされる新宿駅まで乗車10分程度で到着するアクセスの良さがありますが、コロナ禍を経てリモートワークの常態化やワークプレイスの多様化が進み、さらに多くの方にとって、仕事が15分生活圏の中のものとなりました。そうした中でポストコロナのまちづくりでは、郊外に住んで毎日都心に通うモデルから15分都市への転換、つまりモビリティからアクセシビリティへのパラダイムシフトが進んでおり、モビリティの優位性を誇り発展してきた荻窪のまちは、15分都市の価値観の中でも優位性を維持していけるのか、今問われています。
このようなまちづくり論の変遷の中で、国土交通省は駅を中心としたまちづくりを推進することとし、駅や駅前広場と一体的に機能の配置を検討すべき地域として「駅まち空間」というキーワードを打ち出し、駅まちデザインの手引きを作るなど周知に努めているところです。駅まち空間のキーコンセプトは「連携」や「一体性」であり、事例の中でも多く触れられている通り、その前提には空間的な接続や回遊性が求められています。
荻窪は駅を中心とした裾野の広いエリアに6つの社会機能を兼ね備え、まちとしては15分都市としての要件を満たしているにも関わらず、駅の南北移動問題や散逸したバス停留所、自転車移動における諸問題などによって、欠格してしまっているような状況である、というのが私の認識です。杉並区ならびに荻窪のまちづくりに、15分都市のコンセプトを活用していくことについて、区の考えを伺います。
その上で、この間のソフト面の取り組みを一定評価する立場からも、それを最大化するためのハード面の対応を先送りにしてきた流れを変える必要性を今、強く感じています。民間が提供する社会機能を、公共が有機的に接続できていないという状況を早急に解決するために、今後の荻窪まちづくりの方針は回遊性向上に直結するハード面の整備を真ん中に据え、真正面から取り組むことを求めますが、このことについて区長の答弁を求めます。
3.ベビーシッター利用支援事業について
ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)について、都の10分の10補助の事業ということもあり、長年にわたって多くの議員から利用の提案がされてきましたが、今年度から導入されることとなり、提案してきた一人として嬉しく思っています。同時に、導入当初から区民の感謝の声が私たちにも届いており、子育て世帯の福祉の増進に貢献している手応えも感じているところです。ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)について、現時点までの利用実績や利用者の意見、要望などについて、確認します。
同事業は対象児童を未就学児としていますが、例外として学童クラブ待機児童対策計画を策定した区市町村は小学3年生までが対象となっています。杉並区ではこれまで、学童クラブ待機児童対策計画を策定することができなかった、つまり学童クラブ待機児童をゼロにする道筋を描ける状況になく、そのため例外を申請できずにいましたが、先の保健福祉委員会に示された「子どもの居場所づくり基本方針(素案)」では、学童クラブの整備に加え、令和9年度までに全区立小学校で放課後等居場所事業を実施し、学童クラブと放課後等居場所事業のサービス差分も解消していくことを表明しました。放課後等居場所事業には定員の概念が存在しないため、全校設置が完了すると基本的には学童クラブ待機児童が発生しなくなるものと理解しています。この施策により、学童クラブ待機児童対策計画を策定することが可能になったのではないかと考えますが、このことについて区の見解を伺います。
学童クラブ待機児童が令和9年度に解消できる見込みが立ったことについて評価する立場ではありますが、それまでの毎年度、それまでの日々の中でも学童待機児童が一人でも少なくなるよう、区はできることを全てやるべきと考えています。都は来年度以降も、学童クラブ待機児童対策計画を策定した区市町村はベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)の対象を小学3年生までとする予定か、について確認します。都が来年度以降もベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)の対象を小学生に拡大することを決めた時に、速やかに例外申請することができるよう、今年度中に学童クラブ待機児童対策計画の策定を進めるべきと思いますが、区の見解を求めます。
4.不動産IDについて
最後に、不動産IDについて質問します。令和2年第4回定例会で、住居表示について取り上げました。「合理性の観点、公共の福祉の増進の観点から、枝番号や肩書によることなく、一意の、つまり重複のない住居表示の付定が求められているのではないか。そして、ネットショッピングや料理宅配サービスの拡大などがそれを後押ししている、そのような状況にあると認識しています」と述べ、一意の住居表示を付定することを提案しました。当時の区民生活部長の答弁を振り返ると、当区のDXの遅れ、今日のデジタル敗戦が必定であったことを感じざるを得ません。翌年9月には新型コロナウイルスに感染した40代男性が区内の勤務先ビル内店舗で療養中に死亡する事案が発生し、勤務先ビルと同じ住所に別のマンションがあったことで安否確認を適切に行うことができなかったことが問題となり、当時の区長が遺族に謝罪、議会でも様々な議論がなされました。その時までに住居表示が一意にできていれば、救うことができた命だったかもしれないと、私自身深い悔恨の念に駆られた事案でした。
そうした中、今月4日の日本経済新聞に、「17桁IDで住所識別、物流スムーズに 20自治体で12月施行」という記事が掲載されました。そして実証実験には杉並区も参加するということです。本実証実験に参加することとした検討の経過、どのような議論を経て参加することとしたのか、区としてこの実証実験に参加することの意義や狙いをどのように考えているのか、答弁を求めます。
記事によると国交省は2027年度にもIDの一般公開を目指す、17桁よりも短くすることも検討するとのことで、非常に前向きに進めていく意思が感じられることから、区としても実証実験に着手すると同時に、今後不動産IDをどのように活用するか、また今の仕組みをどう不動産IDと適合させていくか、検討を開始していく必要がありそうです。不動産IDがもたらす住所情報の一意性を、区政のDXにどのように生かしていくことを考えていくか、今後の展望を伺い、質問を終わります。