岐阜市子ども・若者総合支援センター「エールぎふ」
センターで揉み手をしている板橋区議会議員の大森大さんにお誘いいただき、第二の故郷(義実家がある)岐阜県岐阜市の「エールぎふ」の視察に伺いました。
大森大さんは選挙・政局マニアとして有名ですが、政策面では児童虐待問題のスペシャリストであり、主催者側で開催されたイベントにお声がけいただいたこともありました。その大森さんが、「私が思う一つの理想系の児相がこれです」という殺し文句で誘ってくれました。
エールぎふは子ども・若者を発達段階に応じ継続的・ワンストップで総合的に支援する施設です。保護者の会は発達課題、不登校、社会参加不安の3種類あり、ペアトレも実施。今年度からはこども家庭センター機能もこちらで設置しています。
125名いらっしゃる職員さんの所有資格で多いのは小学校教諭、幼稚園教諭、中学校教諭、保育士などで、所長さんは教育職。今年11年目ということで、取組は早いし特徴が様々ありますが、 大森さんが「私が思う一つの理想系の児相」と言っていたのはここの部分です。
児童相談所を担う岐阜県、一時保護や虐待案件における検挙の際の対応を担う岐阜県警、岐阜市、岐阜市教委が連携していることです。連携は濃淡あれどどこでもしているでしょう、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、パーテーションすらない同じ執務スペースに同居して仕事をしていました。
そのことのメリットを端的に表しているのがこのスライドです。
・各機関が持つ情報が異なるため、アセスメントに違いが出る
・各機関で個別に協議するため、迅速に対応できない事例も存在→エールぎふで受理した虐待通報は、エールぎふの中で検討して、警察の支援が必要だと判断した時点で警察に通報する、といったことで時間をかけてしまう
ということが、4社が同じ空間の中で仕事を日頃から行っていることで解決するということです。模擬的な「合同緊急受理会議」のデモも見せていただきました。年間498回、多い日には5件行うこともありますが、それでも迅速に対応できているそうです。
杉並区は令和8年11月に区児相を開設予定です。もう2年切りましたね・・・
それ以降は児相もこども家庭センターも区が実施主体となります。そこの連携は良くなるだろうと思う反面、警察との距離は都児相の方が近いのかな?という点は懸念があり、区では警察との密な連携ができるように意を用いてはいます。
ただやはり、行政機関の中でも実力部隊という側面もあるからか、警察は「独特」な部分もあり、質疑の中で「どうやって実現できたんですか?」ということを伺いました。その答えは、「県警トップの情熱からくるトップダウン。県知事と市長の関係性も良かった」というものでした。
本当に、全国唯一の好事例のKFSって大体これです。熱い思いを持ったトップがいて、それに呼応する周辺機関のトップがいる。これに関しては議員の立場では再現性がなく、質疑を通じて区の関係者や区長の行動変容を促していくことしかできません。でもやってみようと思います。
大人気視察先で日程は決め打ちでしたが、伺ったら快く視察を受け入れて下さった所長、副所長に感謝を申し上げます。どの視察もそうですが、視察の恩返しの方法は好事例の実現しかありません。区児相と区内警察署の連携強化、予算特別委員会で提案してまいります。